イメージを具現化するの映像

イメージを具現化するの映像

「小説はイメージを自分で作るものだから」と言われて、なるほどと納得したことがあります。たとえば映画やドラマなど映像があるものは、登場人物の見た目も声も、場面の在り方も、既に決まっていますよね。しかし文字のみで世界が作られている小説は、そのどれもがイメージにすぎず、たとえば『長い髪の美人な女性』という文字を見たら、読み手の数だけの長髪美人が存在するということになるのです。
これは素敵なことだと思うのですが、一方で、だからこそ小説が映像化されるという時には、いつだって賛否両論が起こるのでしょう。あの人物をこの俳優さんがやるのは、考えている人物像と違う、あるいは、ぴったりだという論争です。万人の希望にそうのは当然不可能な話ですし、あくまで制作側の考えもありますから、これは仕方がないことですよね。
それに逆に言えば、そうやって話題になることで、その作品に興味がなかった人の関心を引きつけるという効果もあると言えるでしょう。商業効果的には、作品を見てもらうことが一番ですから、これはある意味有効な策かもしれません。それに今では、原作とは別の結末を迎えるものも多いですしね。それぞれが別次元と考えれば、二重に楽しめるというのも面白いところでしょう。

Comments are closed.