有名なはずなのに、知らない人の本

有名なはずなのに、知らない人の本

図書館で『伊豆の踊子』を借りました。それだけが載っている本は見つからなかったので、文学集の中の一冊です。普段はめったに足を向けないような、著名作家の本ばかりが並ぶ棚。そこで私は、ある本を見つけました。どうしてその本が気になったのかといえば、作者の名前を見たことがなかったからです。ほかの作家は、川端康成を始め、夏目漱石や芥川龍之介や、それこそ誰もが常識として知っているような、学生のテストに出てくるような名前ばかりが並んでいます。私が気になった作家の本も、そこに並んでいるということは有名なもののはず。でもまったく知らないんです。中を開けてみると、句読点の少ない、いかにも現代とは違った文章が書かれていました。漢字もたくさんありました。今は一文の短いものが多いですから、今の文章に慣れていると、ちょっと読みにくい感じではありました。でも私は迷わず借りました。すごく興味があったんです。有名なはずなのに、全く知らないその作家に。そして家に帰ってからちょっとだけ読んでみたら、中には注釈のついた言葉がたくさんありました。ちょっとだけ、ハードルが高い感じはしますが、心はうきうきしています。読み終わってから、この作家さんについて調べてみようと思っています。

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