アレンジされて時代を巡る

アレンジされて時代を巡る

友人が最近、昔の音楽を現代風にアレンジした曲を聞いているそうです。原曲と聞き比べると、メロディライン以外全部違っているというくらい差があるものもあって、面白いと言っていました。ちなみに原曲しか知らない家族が聞いた時には「これ……どうしちゃったの?」とびっくりしていたそうです。「変わりすぎだよ」と大笑いしていたと聞いて、私も笑ってしまいました。
この現代アレンジ云々は、旧作の小説が新訳で出版されるようなものかしらと思っています。大筋は変わらないけれど、言葉遣いや言い回しが変わるのですよね。時代を感じて読みにくかった文章が、さらさらと頭に入るようになっている場合もあるので、たいてい古い作品を買う時は、最新版の訳のものを選んでしまいます。ストーリーを追うのに一生懸命になりたいので、旧字体や仮名使いなど、あまり慣れていないことに頭を悩ませたくないのです。
私はこうして変化をしながらも、昔のものが今に残っていくのは、素晴らしいことだと思います。まったく消えてしまうよりは、ずっといいですよ。それに現代版から興味を持って、オリジナル版を調べる人もあるでしょうからね。変化し続けて時代を巡り、いつまでも人の心を癒し続けて欲しいものです。

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