近所の書店で、書籍の福袋が売っていました。少々難ありなものが紙袋いっぱいに詰まって千円。安いですよね。ただその中身が、全部児童書だったのです。おそらくは子供達が立ち読みした際に、ちょっとカバーが破れてしまったとか、そういうのを入れてあるのでしょう。本は何でも読みますが、中身も対象年齢もわからない児童向けはさすがに、大人の私が買うには勇気がいります。だって千円あれば、他の大人向け小説が買えますもの。これが一般書籍だったらなあと思いつつ、読書好きの子供が買ってくれることを祈るばかりです。
そういえば大昔に一度、小説の福袋を買ったことがあるのを思いだしました。紙袋に入っていて中身がわからないようにしてある、中古本です。これが一冊三百円。面白がって何冊か購入して、普段はあまり読まなかった方の作品を読み、それからしばらくはその方のものを作家買いしていました。はまってしまったのです。
書店員の方が、一冊紙袋に入れただけだけれど、私にとってはまさに、出会いをもたらしてくれる『福』袋でした。お正月に、こうしたものを増やしてくれたら、年の始まりがもっと楽しくなるよなあと漠然と思います。服だって宝石だってあるのだから、本があってもいいですよね。
12月26