料理好きの友人が、レシピ帳を作っているそうです。先日彼女自身が入院したからでしょうね。自分に万が一のことがあったら、家族の誰かが料理をすることになる、その時に見てほしいとのことでした。普段彼女以外が台所に立つことはあまりないらしいので、いざというときに困らないようにと考えたのです。
たしかに、包丁を持つ機会が少ない人にとっては、書店に並ぶどんなに簡単なレシピ本でも、難しいと感じますよね。れなりに経験のある人は手の抜きようもわかるけれど、未経験の人はそれもわからないですし、塩少々の『少々』ってどのくらいなの、ってなってしまいますからね。
その点彼女の作っている物は、塩は何回振ること、などと書かれています。容器によって出方に差があると言ったところで、これなら大抵大きな間違いは起こらないでしょう。それとこれが一番なるほどと思ったのですが、作りながら見られるようにと、クリアファイルに収まっているのです。台所という水場と紙は、相性が悪いですからね……それで私も、慣れない頃は、本のページをぐにゃぐにゃにしてしまっていました。このレシピ帳を使わずにすめばいいとうのが、正直なところですが、友人の気遣いは、尊敬します。
Monthly Archives: 3月 2017
今に残る日本文化
以前どこかで、日本の文化が廃れてきている、という記事を読みました。たしかに現代、毎日和服で生活をし、和食だけを食べて過ごしている人は少数派でしょう。利便性から洋服を選び、食の欧米化などは、もうずいぶん昔から言われています。
そこで思いだしたのが、年末の過ごし方です。クリスマスを過ごした後に、大掃除をして、年越しそばを食べて、初詣。なんとも和洋折衷と言いますか、不思議な感じですよね。しかも神社へ赴くのは、年に一度、このときだけという人だって多いはずです。それが良いとか悪いとかではなく、昔の人とは違うのだろうなあと、漠然と感じました。
ですが、これくらいでいいという気もするのですよ。クリスマスやバレンタインを楽しみながら、年を越したりお盆にご先祖をお迎えしたりして、十月にはハロウィンで、ごちゃごちゃになりつつある文化が、私はとても愛おしいんです。だってこれが、世界の中で発展してきた日本だという気がするのですもの。
なんでも変化は訪れます。でも、今の世の中、一色だけに染まりきることは難しいでしょう。だからこそ、多くを受け入れて、大事な物はすべてを消してしまわずに、継承していく。それが重要なのだと思います。
同じ本を複数持っている理由
昔の小説や漫画が、新装版として再度出版される時、ある程度の巻数がまとめられたりしますよね。私はそれを、とても良いことだと思っています。興味を持って読んでみようと思っても「全20巻です」と言われたら、躊躇ってしまうときもあるからです。でも当時の1・2巻が1冊になって全10巻だったら、最初のハードルは低くなるでしょう。
ただこれにも、短所はあるのですよ。昔のもので持っていても、つい、新装版も欲しくなってしまうこともある、ということです。内容は変わらないとわかっているのに、物によっては追加もなにもないのに、本当に『つい』としか言えません。そのくせ読むときは、慣れた昔の方だったりするのですけどね。
そのため、私の書棚を始めて見た人は、たいてい驚きます。同じ本がたくさんある、というのです。でもこういうことをするのは、私ばかりでもないでしょう。友人は、特典が欲しくて集めた結果、同じ作品のDVDを何枚も持っていますし、ほかには「初版が欲しいけれど、勿体なくて読めないから、次の版も買う」という子もいました。本の帯を集めている人もありましたね。たった1冊の本に対しても、いろいろな考えがあるものだあなあ、と思ったものです。