Monthly Archives: 9月 2016

涙でデトックス

涙でデトックス

最近、古い作品を見て泣くことが増えました。前に見たときは平気だったのに、どうしてでしょう。同世代の友人に聞いてみたら「年齢を重ねることで、涙腺が弱くなっているんじゃないの?」とのこと。確かに年を取ると涙脆くなるとは言いますが、もっとおばあちゃんになってからだと思っていました。びっくりです。
大人になると、悲しいときも我慢して、たとえ目頭が熱くなっても、涙はこぼれないようにしてしまいがちです。しかし本来、泣くことは、デトックスになっていいらしいですね。それを知ったとき、私は、泣くための本を探してみようと思い立ちました。ジャンルはこだわらず、童話や絵本、漫画に小説など、書棚の奥にあるものも引っ張り出しての検討です。
すると、案外たくさんあるんですよ。楽しい話の中にある感動が一番ですが、悲恋や報われない未来も目にしましたね。もちろん、喜びも見つけましたよ。人間、心の底から嬉しい時にも感涙しますからから、これは当然のことですね。しかしストーリーの流れの関係上、たいてい最大の衝撃とセットになっていることが多く、それなりにショックな内容も覚悟しなくてはいけません。ハッピーエンドの前に闇があるのは、人生も小説も一緒ということですね。

今の私をつくるもの

今の私をつくるもの

昔から、原作がある作品を映像化することは多々ありますよね。あれは、もともと人気があるものを選ぶのか、それとも製作者側が「ぜひこれで作りたい」というのか、どちらなのでしょう。私は以前は、当然のように、人気が先行していると思っていたのですよ。でも原作発表後、十年以上たってから映像化されるものもあると知ってしまえば、首を傾げざるを得ません。それだけ根強いファンがついていて、媒体を変えた発表を待ち望まれているということなのかもしれませんが。
しかし「どうして今?」という時期であっても、好きな作品がドラマや映画、あるいはアニメになるのだとしたら、私は大歓迎です。理由はどうあれ、それまで大事に応援してきたキャラクターが、動いて喋るというのは、やはりすごいことでしょう。たぶん落ち着いていた気持ちも盛り上がり、子供のように大騒ぎをして、はしゃいでしまうと思います。
私はもう大人ですが、こうやっていくつになっても夢中になれるものがあることは、とても幸せですよね。古い作品を見る度に、幼い頃に楽しんでいたものも、思春期に憧れていた話も、今熱中している物語も、すべてが今の私をつくる手伝いをしてくれているんだなあと実感しています。