Monthly Archives: 10月 2013

定期券内の旅

定期券内の旅

よく晴れた週末は、電車に乗ってどこまでも行きたくなる。知らない街じゃなくてもいい。通勤の定期券が使える区間でも、出勤の混み合う車内から見られない景色が車窓に広がる。
遠く北の方に見える観覧車のような建物。西の山の稜線に目を凝らせば、地上からひときわ頭を高く飛び出す富士山。線路の北側の緑道は、いつの間にかこんなに緑を茂らせている。季節は私が思っているよりもずっと早く移ろっている。
いつもの電車の車窓から見える新しくて新鮮な景色に心を踊らせながら、忙しい毎日の中で置き忘れた大切なものを拾い集めた。
やがて眠くなり、読もうと思っていた新書は、バッグの中で眠らせたまま、私もいつしか眠ってしまった。
目を覚ますと、定期券で行ける一番端の駅…つまり、職場の駅に着いていた。どれだけ心が安らいでいても、体内時計は自宅と会社の距離をしっかり把握しているらしい(笑)。頼もしくもあり、切なくもある。
心地よい目覚めとともに、駅中のカフェで眠っていた新書を起こして、しばし読書をすることに。
こうして職場の駅で、こんなに穏やかな時の流れを感じたことは今までなかった。
街は自分の気持ちでその色を変える。まだまだ知らない景色がある。だから私は、東京が好き。

本をすすめるって難しい

本をすすめるって難しい

人に本をすすめるのって、案外難しいことなんだな、と最近思います。
私は読書好きなので、私の友人にも読書好きの友人がたくさんいます。類は友を呼ぶというやつですね。なので、友達同士であの本が面白い、この本が面白い、といった話もよくするんです。でも、そういう話をしていても、自分のすすめた本を友達が実際に読んでくれることって実はあまりないんですよね。特に、お互いの普段読むジャンルが違っていると、ますます難しいんです。そして自分自身も、よく考えたら、友達にすすめられた本をすぐ読むことってあまりないんです。
本をすすめるということは、どうしてこう難しいんでしょうかね?あらすじや、キャラクターの魅力、世界観の魅力などを伝えても、なかなか読んでもらうまでには至らないのです。やっぱり、この本を読もう、という気になるためには、どれだけ面白いかを説明されるだけでなく、何かもうひと押しが必要なのでしょうか。そう考えると、書店にあるPOPというのは、あれだけの狭いスペースで私達にその本を読みたいと思わせているのですから、すごいですよね。
やっぱり自分の好きな本を友人が好きになってくれたらとても嬉しいですし、これからも友人に本をすすめて行きたいと思っています。どうすれば実際に読んでもらえるか、研究していきたいです。